五斗米道布教記2


巴蜀を制圧する。
かの高祖劉邦の天下統一もこの地から始まった。
それに習い、この張魯巴蜀の征圧から始めようではないか。
我ながらナイスアイディアだ。
よし、まずは徴兵だ。限界一杯まで行ってみようか!


そう思いたち、配下に指示を出そうとしたところ、閻圃が泡食ってかけこんできた。
「教祖!更に徴兵を行うというのはまことですか?血迷ったのですか?我が国の兵糧収支を少しは御考え下さい。現在の開発力をもってしてもあと1万人の動員が限界で御座います。徴兵数の限界まで徴兵しようものなら国が滅びます。小学生にでも出来る簡単な引き算ですぞ。この馬鹿教祖。いいですか?ただでさえ平地の少ない我が国が「五斗米道の国だから」という理由だけで開発1000という奇跡を許されているのです。そして現在の開発は900。限界まで開発したところで、動員数の限界は一万が精一杯。これ以上の開発には重機の搬入やHa規模の大規模区画整理。及び斜面勾配を5%以内に抑えるための山間での土地改良、そしてどんな災害でも耐え得るだけの品種改良、各種新技術の導入が不可欠です!!」
良くは解らないが、とにかく一万人しか徴兵できないという事が解った。
それにしても閻圃は口から唾を飛散させすぎだよ。汚いなあ。


そんな国家の大事を決める高等会議の最中、虎痴が満面の笑みを浮かべて乱入してきた。なんだ、遂に張衛を叩き殺したのか?
「殿様ぁ〜。俺も国のこと考えただ。」
殿ではなく「教祖」と呼べよ。あと貴様が余計な事は考えなくて良いんだよ。馬鹿みたいに武器振り回してろ。
「殿様ぁ〜。この高涼ってやつは見所があるぞ〜。鍛えよう。」
良くみたら虎痴の後に無骨な人間が一匹立っている。
閻圃の相手で疲労困憊であったために虎痴に任せることにした。


数日後、そういったやり取りがあったことを思い出して、虎痴が何をしているか気になったので、調練場を除きに行ってみた。
そこには腕立て伏せをする高涼と、木刀を片手にふんぞり返った虎痴がいた。
「口でクソ垂れるまえに、サーと言え!」
「サー、イエス、サー。」
「もっと気合を入れろ!」
「サー、イエス、サー!」
「貴様は豚娘か?気合を入れて調練開始だ!」
「サー、イエス、サー!1,2,3,4、マッスル、マッスル、2,2,3,4、マッスル、マッスル・・・・・・・
なんだ?アレは。
虎痴は調練と筋トレを同じに考えているのか?
調練ってのは、もっと、こう、奮迅とか突破とかの兵法を教えるんじゃないのか?
が、恐ろしいので近付かないようにした。ブルブルブル。


その後、閻圃と張魯自らの血反吐を吐くような毎日の開墾により開墾MAXという状況にまで持っていった。
民心に関しては、たまに楊壬等に米粒持たせて
「五斗の米が世界を救う」
と歩かせたりしたら、民心800までに上がった。
当然、楊松はそのような雑事にかまけることは皆無であり、毎日のように威勢だけは良く、
「行ってきます!」
「必ずや!」
と洛陽にいっては酒場で酒飲んでは
「駄目でしたァ〜。」
と帰ってきやがる。いつ解雇にしてやろうか。


そんな折、陽平関に一人の男が流れついた。
楊阜とかいうらしい。
話を聞くと、涼州1の知恵を所持しているらしく、閻圃と違って物静かなので軍師にしてやった。
苦節4年、我が国の軍師を務めた閻圃は唾飛ばしながら悔しがり、脱国するかと思ったが
「楊阜様ならば喜んで!」
とか述べやがる。根性とかプライドとかねえのか?


楊阜の進言もあり、漢中の収益の上昇をはかっている最中、久々に漢中捜索(漢中の酒場めぐり)をした楊松が帰って来た。
楊松はそのダリのような口ひげを撫でながら、得意満面となって1冊の書籍を懐から出した。
『烈女伝』
オオ!!こいつただの無駄飯食らいではなかったのか!ついに漢中の秘本を見つけやがった!でかした。
余りに感動したので、今まで他の配下は忠誠100になるまで褒美を上げていたが、彼にだけは上げていなかったために、彼に報奨金をくれてやった。
そしたら彼はヌケヌケとほざきやがった。
「まあ、これくら当たり前ですな。」
と。


内政が後少しで完全に終る。
そんな時に高涼がやってきた。
「もう、駄目です。虎痴には従えません!」
ああ、うん。あんなトレーニングばっかりじゃあ嫌になるよなあ。むしろ良く数ヶ月耐えたよ。僕には無理だ。
「師匠を変えてください!」
あー、だれかマッチョいたっけな。
残念、虎痴以外にはいないのよね。
なので
「生意気言うな!」
と一喝したら
「そうですよね。私が甘えていました。うん。頑張ります。」
と修行に戻っていった。これだから体育会系筋肉馬鹿は扱いが楽なんだ。


そうこうあった修行も終り、高涼が帰って来た。
虎痴曰く
「こいつは武力に優れてます。兵法もいっぱい持ってます。」
とのこと。見てみたら、武力91という筋トレの成果が出すぎた結果に。
そして驚くべきことに、知力78、政治63。
な、な、何?知力78!?むう、虎痴の特訓を受けてそれだけの知性を保つとはコヤツ中々の剛の者よ。
オマケに連射やらロウ船やら各種虎痴が習得していない兵法付き。
虎痴は教練監督としての才能はあるやもしれん。


その、虎痴と高涼の2名で1万の新兵を調練させた。
「1,2,3,4、マッスル、マッスル。2,2,3,4、マッスル、マッスル・・・・・・・
また、それかよ。
が、呂布の兵かと見まごうばかりの屈強な兵が揃った。
いざ、南征の時はきたれり。
巴蜀に住まう全ての人民に五斗の力を!


楊阜や閻圃の助言もあって、葭萌関には3万の兵士を集結させ、残り3万を陽平関等に分配した。
したら、また馬騰がやってきた。
おいコラ。
いい加減にしろよ?
なんだっていつもいつも貴様は私が
「よし!南征しちゃおうっかな!?」
となったら攻めてくるんだよ。
読心術でもつかえんのか?
誰か密告者でもいるのか?
密告する、っていったらやっぱり楊松だろうなあ。アイツ忠誠100でも信用できねえよ。


腹が立ったので南征に用意した軍勢を全て傾けることにした。
全力でここは叩く。
涼州の田舎者どもに2度と漢中の地を踏みたくなくさせてやる。


対するは、リカクを滅ぼした馬騰
馬騰を筆頭とし、バガンやらセイギやら2流ばかりが押し寄せてきた。
が、そんな中に天下に名高き名軍師、賈クの文字が!!
アナタねえ。賈クさん。待ってたよ。
虎痴に率いさせ、張衛、高涼、楊阜、閻圃、と我が国のエースを各種取り揃えてカクヨクの陣で迎撃。
賈ク捕獲作戦。」
虎痴の一騎討ちでセイギとやらを撫で切りにしてからは勝負は一方的になっていった。
陽平関からの楊拍による連弩と、高涼の奮闘もあって賈クを捕獲するに成功した。


早速張魯自ら会いに行ってみた。
中々嘘の上手そうな顔してる。悪人ツラだなあ。
と感想を抱いたが、コイツは名軍師。我が国に降れば教団の力は十万の兵を得たに等しい。
「この御方を縄で括るとは何事だ、はやく解いて差し上げろ!」
と、どこかで読んだ本のような台詞を吐いて、賈クの心を鷲掴みにしようと試みたりしたら、賈クはあっさりと
「遂に我が盟主にお会いできた。」
みたいなこと言って降った。嘘くせえ。


負傷兵にも虎痴が遠慮無く調練を行い、南征の準備を再び整えた。




  • こんなペースで書いてたら巴蜀制圧までに10回かかりそうだなあ。

しかしながらゲームのペースは既に巴蜀制圧したんだよ。
今、ゲーム内で起きていることを記憶しておくのも大変だ。
あー、楽しー!